妊娠後期の胎動の変化|週数ごとの動き方と臨月の胎動
妊娠後期に入ると、「胎動の感じ方が前と変わった気がする」と気づく方が多くいます。結論からお伝えすると、これは多くの場合、自然な変化です。赤ちゃんが大きくなって子宮に余裕がなくなると、動きの「種類」は変わります — 鋭く蹴る動きから、ぐるりと回ったり押したりする動きへ。けれど、動きの「量」が減るわけではありません。 大切なのは、種類の変化に戸惑わず、いつもと同じくらいの量を感じられているかを見ることです。
そして、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。「臨月になると胎動が減る」というのは、よくある誤解です。お産が近づいても、赤ちゃんは陣痛が始まってからも動きます。このページでは、週数ごとの動き方の変化を、落ち着いてお伝えします。
要点
- 動きの「種類」は変わる。 後期は、蹴る動きより回る・押す動きが増えます。自然な変化です。
- 動きの「量」は減らない。 種類が変わっても、いつもと同じくらいの量を感じられているかを見ます。
- 「臨月で胎動が減る」は誤解。 陣痛が始まってからも、赤ちゃんは動きます。
- 感じる場所が移ることも。 赤ちゃんが下がると、感じる位置が変わることがあります。
- いつもよりはっきり少ないと感じたら、かかりつけ医へ。 週数にかかわらず、待たないでください。
妊娠後期、胎動はどのように変わりますか?
妊娠後期は、おおむね妊娠28週からお産までの時期です。このあいだ、赤ちゃんはぐんと大きくなり、子宮のなかの余裕は少なくなっていきます。すると、動き方が少しずつ変わってきます。週数ごとの、おおよその目安を見てみましょう。あくまで一般的な傾向で、個人差は大きいことを念頭に置いてください。
妊娠28〜31週ごろ
妊娠後期の入り口です。赤ちゃんに力がついてきて、蹴る・押すといった動きを、はっきりと強く感じるようになります。まだ子宮に余裕があるため、よく動く子では、勢いのある「キック」のような動きを感じることもあります。眠りと目覚めのリズムも、だんだんはっきりしてきます。
妊娠32〜35週ごろ
日本で胎動カウントの目安とされる時期です。動きが強く、規則的になり、量を意識して数えやすくなります。子宮に余裕がなくなりはじめ、鋭く蹴る動きより、ぐるりと回ったり、ぐーっと押したりする動きが増えてきます。この時期に、その子の「いつも」を知っておくと安心です。数え方は胎動の数え方(胎動10回法の手順)をご覧ください。
妊娠36週〜臨月
赤ちゃんがさらに大きくなり、子宮はかなり手狭になります。動きは「全身でぐるり」「ぐーっと押す」「もぞもぞする」といった、ゆったりした動きが中心になります。鋭い「キック」は減ったように感じても、動きの量そのものは減りません。 頭が下がってくると、感じる場所が肋骨のあたりや下腹部に移ることもあります。
動きの「種類」が変わるのは、心配ですか?
心配いりません。むしろ、赤ちゃんが順調に大きくなっているサインです。子宮に余裕がなくなれば、思いきり足を伸ばして蹴るより、体をひねる・押すといった動きのほうが多くなるのは、自然なことです。
見ていただきたいのは、動きの種類ではなく、いつもと比べた動きの量です。「最近は蹴るより回る動きが多いな」と気づくのはよいことですが、それ自体は問題ではありません。「いつもより明らかに動きが少ない」と感じたときだけ、確かめてもらえば十分です。
「臨月になると胎動が減る」というのは、本当ですか?
いいえ、これは誤解です。とても広く信じられていますが、正しくありません。お産が近づいても、赤ちゃんの動きの量は減りません。陣痛が始まってからも、赤ちゃんは動きます。
この誤解が心配なのは、「臨月だから減って当然」と思い込んで、本当の変化を見過ごしてしまうことがあるからです。日本産科婦人科学会をはじめ、産婦人科医が監修する情報でも、お産が近づいても胎動は減らないこと、いつもより少ないと感じたら相談することが案内されています。臨月こそ、毎日の動きに意識を向けてください。胎動が減ったと感じたときは、胎動が少ない・減ったと感じたとき(妊娠後期)をご覧ください。
週数が進んだら、何に気をつければいいですか?
週数が進んでも、見るべきことは変わりません。その子の「いつも」と比べて、動きがいつもどおりかどうかです。
- 動きの種類が変わっても、量がいつもどおりなら、自然な変化です。
- 感じる場所が移っても、量がいつもどおりなら、心配はいりません。
- 「いつもよりはっきり少ない」「まったく感じない」と感じたら、週数にかかわらず、その日のうちにかかりつけ医へ。
ふだんの胎動の量の目安は、胎動は何回がふつう?妊娠後期の目安でもお伝えしています。
よくある質問
臨月になると胎動は減りますか? いいえ。「臨月で胎動が減る」というのは、よくある誤解です。赤ちゃんは大きくなって動き方が変わりますが、動きの「量」が減るわけではありません。陣痛が始まってからも動きます。臨月にいつもよりはっきり少ないと感じたら、減って当然と考えず、その日のうちにかかりつけ医に相談してください。
妊娠後期に、蹴る動きより押す・回る動きが増えました。大丈夫ですか? 大丈夫です。むしろ自然な変化です。赤ちゃんが大きくなって子宮に余裕がなくなると、鋭く蹴る動きより、ぐるりと回ったり、ぐーっと押したりする動きが増えます。動きの「種類」が変わっても、いつもと同じくらいの「量」を感じられているなら、心配はいりません。
赤ちゃんが下がってくると、胎動を感じる場所は変わりますか? 変わることがあります。お産が近づいて頭が下がってくると、これまで上のほうで感じていた動きが、肋骨のあたりや、下腹部・膀胱のあたりに移ることがあります。感じる場所が変わっても、いつもと同じくらいの量を感じられているなら、自然な変化です。
週数が進むほど、胎動を強く感じるようになりますか? 妊娠後期に入ると、赤ちゃんに力がついて、ひとつひとつの動きを強く感じる方が多くいます。ただ、感じ方には個人差があり、胎盤の位置や赤ちゃんの向きにも左右されます。強さそのものより、その子のふだんの動きと比べて、いつもどおりかどうかを見てください。
出典・参考:日本産科婦人科学会による胎動・妊婦健診に関するガイダンス、産婦人科医監修の妊娠情報(ままのて)、たまひよ/ベネッセ。この記事は一般的な情報であり、あなたの妊娠を診ているかかりつけ医の判断に代わるものではありません。